ラーメンがラーメンであるための存在:かんすい

 

ラーメン かんすい

 

 ラーメンは日本の国民食といわれるほど、色々な味や素材が使われる大人気の食べ物ですが、どんなラーメンにも共通するのが、独特のコシと香りのある中華麺です。

 この中華麺は小麦粉に「かんすい」を混ぜることでできます。かんすいはラーメンにとっては絶対になくてはならない食品添加物で、その正体は、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどを主成分としたアルカリ塩です。

 小麦粉にかんすい加えるとタンパク質(グルテン)に作用し、弾力も展延性も増し食味としてはコシ、滑らかさが増します。これは、グルテンが無機質、アルカリ性の物質に出会うと収斂する性質があるからです。また小麦粉中に存在するフラボノイド系色素が、かんすいのアルカリ性と出会い、淡黄色に発色します。

かんすいが合成化学品になったわけ

 戦後の混乱期、小麦粉の統制解除でラーメン店が急増した際、苛性ソーダなど食品にふさわしくない粗悪な代用品が出回りました。当時かんすいに関する規制はなく、国民の健康に深刻な事態を招く恐れがあるとして1957年(昭和32年)に食品衛生法によって「かんすいは基準を満たす合成化学品に限る」と定められたのです。

 それ以降日本で使用されているかんすいはすべて工場で化学合成で造られたものになりました。

 

天然かんすいを探してほしい!

 鹿野が内モンゴルで塩さがしをしている頃、知人から1つの依頼を受けました。

「今の日本ではかんすいはすべて化学合成でつくられているが、中国の奥地には天然のかんすいがあると聞いた。内モンゴルで天然かんすいを探してもらえないだろうか」

 鹿野は当初天然のかんすいなんて存在するのか半信半疑でしたが、ラーメンの麺の起源を調べてみると1700年程前に内モンゴル奥地の鹹湖(かんこ:塩分濃度が0.05%以上の湖)の水で小麦粉を練ると弾力があり舌触りのいい麺ができることが発見され、それが中華麺や餃子の皮に用いられるかんすいの始まりだという話に行き着いたのです。

「ではそのかん湖を探せばいい」

 それからはモンゴルで機会がある度に「天然のかんすいを知りませんか?」と聞いて回りました。
 そうして聞いて回るうちに偶然、天然のかんすいを精製する工場で働いていたことがあるという人に出会ったのです。

 案内してもらった場所は内モンゴル中部のシリンゴル高原。シリンゴルはガラスのように透明な川という意味です。

 広大な草原の中に大きなかん湖がありました。すぐそばには、トロナ鉱石(炭酸塩の鉱物で重炭酸ソーダ石、セスキ炭酸ナトリウム二水和物とも呼ばれ、炭酸ナトリウムの原料として採掘されているもの)の鉱床があり国営の工場がトロナ鉱石を採掘して精製し、二酸化炭素を加えて重曹をつくっていました。

天然重曹 シリンゴル トロナ鉱石 かんすい

 かん湖とは、内モンゴルの大地が永い歳月をかけて育んだ炭酸ナトリウムの結晶が伏流水(地下水)によって溶け出したもの、まさしく天然のかんすいの湖だったのです。

天然かんすいは日本で使えない!

 戦後の粗悪な「まがいものかんすい」から国民を守るための食品衛生法が、皮肉にも天然かんすい輸入の障害となりました。

 「かんすいは基準を満たす合成化学品に限る」

 天然かんすいは採掘されたそのままですから「合成化学品」ではない。だから輸入できないし、日本食品添加物協会が認定した「かんすい確認証」のシールが貼られていないと、〈かんすい〉として売ってはならないという厳しいものでした。
 国民の健康を守るための法律だったのに、天然で安全な製品を締め出すという、まさに本末転倒の状態になってしまったのです。
「化学合成されたものとは一線を画したい。これは安全で安心できる添加物なんだ」と何度も日本食品添加物協会と話し合いを持ち、粘り強く交渉し、認められるには、何年も待たなければいけませんでした。

 2005年、多くの人々の熱意ある働きかけにより内モンゴルで採掘された天然資源である炭酸ナトリウムが、初めて日本でかんすいとして正式に認可されました。「蒙古王かんすい」の誕生です。

行列のできる店は天然素材に頑固にこだわる

 さていちはやくモンゴル産のかんすいに注目したラーメン店がありました。その店では繁華街からはずれた小さな店ながら、連日行列が途切れない繁盛店です。
「ラーメンのいのちは麺とスープのバランスにある。やたら高級素材を使ってもかえって全体のバランスを崩してしまう。私のこだわりはモンゴル天然素材です。麺に内モンゴルの蒙古王かんすいを練り込むと通常では得られない、つやとコシのおいしい麺に仕上がる。ことに天外天塩との相性がよく、悠久の自然が息づくバランスのよい味が楽しめるのです」

もうひとり、著名な麺作り職人にも話を聞いてみました。
「最初は天然のかんすいを実際に輸入し、溶かして使ってみた。しかし不純物が多く、品質が安定しなかっ た。しかし蒙古王かんすいは、その点、従来のかんすいと変わらない使いやすさ。麺の仕上がりも、さすが中華の原点という風格を感じさせる」と。

 蒙古王かんすいを使えば、ラーメン通をうならせる中華麺本来の味が楽しめるばかりでなく、身体にやさしい麺に仕上がります。消費者の本物指向、ナチュラル指向に応えるかんすいとして、ラーメン業界で使用されています。

 

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そのかんすいの湖の水こそ、内モンゴルの大地が永い歳月をかけて育んだ炭酸ナトリウムの結晶が伏流水によって溶け出したもの。蒙古王かんすいは、ラーメンの起源にもつながるその伝説のかんすいそのものです。